女性の頭痛

 

執筆者:同仁堂薬局 柳父憲子

 女性でも男性でも頭痛持ちの方は多いですが、特に女性の場合は月経があるために痛みがホルモンバランスにより大きく左右されます。

 月経前に頭痛や胸の張り、普段より強いストレスを感じる方は“気滞(きたい)”と言って“気”の巡りが悪いために頭痛がでてきます。イライラ感やのぼせを伴うこともあり、主に『張ったような頭痛』などがでます。このように頭痛が女性特有の黄体ホルモンと関係するときには“柴胡(さいこ)”が入っているものや“血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)”、“冠元顆粒(かんげんかりゅう)”などを使います。

 月経が始まってから頭痛が出る方は“血虚(けっきょ)血瘀(けつお)”といい血液の不足により血液の流れが悪くなります。頭に栄養や酸素が行きにくくなるために頭痛が出てきます。

 

 血虚だけの頭痛はあまりひどい痛みではなく、『鈍い痛み』になる事がほとんどです。血瘀の頭痛は刺すような強い痛みになります。このような時は血液を補い、流れをよくする “style=’color:#FF0066′>婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)”などを使います。血瘀がひどい時は“冠元顆粒”や“血府逐瘀丸”を併用します。

 

月経が終わってからよく頭が痛くなる方は、“気虚(ききょ)”の頭痛。こちらも『緩やかな頭痛』で頭を下げたりすると痛みが増すことがあります。もともと疲れやすく胃腸が弱いことも原因でこのような場合は“補中丸(ほちゅうがん)”を使います。

 

また、閉経時にホルモンの関係で血圧が上昇することがあります。イライラ感が強く、めまいやのぼせ、慢性的に頭痛がでる場合には“降圧丸(こうあつがん)” 又、頭部全体に働く生薬が入っている“頂調顆粒(ちょうちょうかりゅう)”などを使います。

 

 痛みは体からのサインです。痛み止めでとめるだけではなく、原因を知り、体の中からの改善をしてスッキリとした生活を送りましょう。