『秋の食養生』

(筆者:川那辺 貴弘)

秋はおいしい食べ物がたくさんございますが、実益を兼ねるものがたくさんございます。
酷暑の夏に傷んだ体を秋の食べ物でいたわってあげましょう。

  秋は色々な食材が楽しめる季節です。季節の食材を取り入れることでその季節に対応できる体になれます。今回は様々な体に役立つ食材をご紹介いたします。

 まず果物では梨がおすすめです。秋は湿度が下がり体の潤いを損なう季節なのでお肌が荒れやすくなったり、咽を傷めやすい季節です。そんな時期にピッタリなのが梨です。中国ではコンポートのように煮て食べることにより体を温めるようです。りんごも同じように体に潤いを与えてくれます。また咳がひどい方はぎんなんがお勧めです。他に喉のトラブルでお困りの方には百合根もお勧めです。

 次に魚貝類です。秋が旬な牡蠣や秋刀魚を取ると良いでしょう。牡蠣は必須微量元素の亜鉛を豊富に含んでいます。この亜鉛は体内でインシュリンなどの生体活動を支えるホルモンの生成に深く関与しているので季節の変わり目に体調を崩しやすい方などはお勧めです。秋刀魚は良質な蛋白質や血流を改善するDHAを豊富に含んでいます。また良質の動物性油がお肌を秋の乾燥から守ってくれます。

 最後にお野菜ですが、さつまいもやしょうがなどお勧めですね。サツマイモは食物繊維を多く含みビタミンも豊富です。しょうが?実は漢方薬にもよく配合されている生薬でお体を温めてくれます。特に寒くなると胃腸の働きが落ちてしまいますが、そんな時にちょっと生姜を入れるだけで胃の働きを改善してくれます。

 酷暑を過ごした体が少しずつ変調をきたす時期です。特に昼夜の寒暖差や季節の変わり目に体調を崩しやすい方もちょっと食事に気をつけるだけで体を守ることが出来ます。食材の例を上げましたが、あまり過剰に取り過ぎないようにご注意してください。あくまでも適量を取るようにしてください。