『夏バテ・夏風邪』

 

(筆者:川那辺 貴弘)

 暑い日が続いていますね。外の気温は30度を超え、蒸し暑く、室内は最初はひんやりとして気持ちがいいのですが、ちょっと油断するとぞくぞくするほど体が冷え切ってしまいます。このような生活が続くと夏バテ・夏風邪になってしまいます。今回は夏バテ・夏風邪対策をお話しいたします。

夏バテ
過労や大量の発汗により食欲が落ちたり、やや軟便、やる気が出ない、疲労しやすい、煩悶などの症状がある場合。漢方では『気(エネルギー)』と『陰(体液や血液など)』を補います。『気』と『陰』を補う漢方は『麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)』や『西洋人参(せいようにんじん)』が代表的ですが、下痢や食欲不振がひどい場合は『勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)』や『補中益気湯(ほちゅうえっきとう)』がお勧めです。

 

夏風邪
エアコンや扇風機などの冷気にあたりすぎたり、冷たい飲食物の過剰摂取により、水様便、腹痛、悪寒、煩悶や食欲不振、嘔吐などの症状がある場合。漢方では『湿(しつ)』と『寒(かん)』を取り、体が『湿』と『寒』のダメージを大きく受けている場合は同時に体を温め補う漢方を服用します。『湿』と『寒』を取るのは『勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)』がお勧めです。お腹が冷えて下痢がひどい場合には『六君子湯(りっくんしとう)』や『人参湯(にんじんとう)』がお勧めです。

 

 暑い日が続くと体調を崩す方も多くなると思います。以下の点に気をつけましょう。

  1. 睡眠や休息を充分とりましょう。
  2. 水分補給は一度にたくさんではなく、こまめに何回かに分けて取りましょう。たくさん汗をかいた場合には体内への吸収が早いスポーツドリンクがお勧めです。
  3. 暑い場所での仕事、作業や遊びは長時間継続しないで、こまめに休憩を取りながら行いましょう。
  4. 食欲が落ちた場合は、冷たい飲食物や生ものをさけて消化の良いものを良く噛んで食べましょう。

 体調をキープして楽しい夏をお過ごし下さい。