花粉症対策 (気になる症状)
2011/2/2(筆者:川那辺 貴弘)
鼻水、涙、くしゃみ、かゆい、むずむず・・・・・嫌ですね、『花粉症』
市販薬や新薬では眠くなったり、便秘になったり・・・特に女性はせっかくのお化粧が崩れてしまう事も・・・今回は『花粉症と漢方』についてお話いたします。
まずは簡単に花粉症の仕組みについて説明いたします。
『花粉症』 最初に『花粉』という『ほっといていても良い物』に対し免疫が反応してしまう所から始まります。本来、免疫は菌やウイルスなど『体に病気をもたらす物』にだけ反応してくれればいいのですが、花粉症の人の免疫はこの花粉を『体にとって悪い物』と認識して免疫が攻撃して『体から排除』しようとします。この排除しようとする際に免疫細胞から『かゆみを感じる』『鼻水や涙を出す』物質を出してしまいます。これが『花粉症』のメカニズムです。
花粉症とは一言でいうと『免疫の花粉に対する過剰反応』と言えます。
単純に免疫を抑える事では花粉症は解決しません。免疫を『ちょうど良いあんばい』にする事が大切です。
漢方では体の表面を外の邪気から守っている『気』を『衛気(えき)』と呼びます。この『衛気』が弱まると『風邪をひきやすい』、『喘息』、『花粉症』等々の症状が出ると考えます。そして花粉症の改善にはこの『衛気』を強める事がとても大切です。
『玉屏風散』 中国ではこの『衛気』を強めるのに用いられるのが『玉屏風散(ぎょくべいぶうさん)』です。
『玉(ぎょく)』とは『一番良い』という意味で、この漢方は屏風(びょうぶ)のように外からの悪い外気をはねのけ、外気と内気を循環させ入れ替えると言う意味合いを持つ漢方です。
入っている生薬は三種類。
『黄耆(オウギ)』 『白朮(ビャクジュツ)』 『防風(ボウフウ)』
三種類しか生薬が入っていませんが、この三つの生薬が絶妙な配合により体表を壁のように覆って体を守ります。
この『玉屏風散』を飲んでも症状が出てしまう場合がございます。その場合は以下のような漢方を併用してみるとよいでしょう。(1)くしゃみ・鼻水
小青竜湯(しょうせいりゅうとう) 苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)
(2)鼻づまり
辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)、葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい) 鼻淵丸(びえんがん)
(3)目のかゆみ、涙
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)、天津感冒片(てんしんかんぼうへん) 菊花(きくか)
花粉症は主に免疫のバランスが崩れて起こる症候群ですが、過労や睡眠不足、ストレスなどでも免疫のバランスを崩し症状が悪化します。
お困りの方は一度漢方をお試しになってみませんか?今年は素敵な春を過ごしましょう!