『ジメジメ・ベタベタ 梅雨~夏の湿気対策』

(筆者:生出 拓郎)

 湿度の高いこの時期、体調はいかがですか?この時期に多い症状は、食欲不振やむくみ、頭や体の重だるさといった、湿気と関係の深いものばかりです。

 

中医学には『湿濁(しつだく)という言葉があります。これは体の中に溜まった余分な水分のことを指し、体が重だるくなったり、むくんだり、食欲不振や下痢などを引き越したりします。

                               

もちろん体には適度な潤いが不可欠です。しかし代謝が悪く、停滞すると『湿濁』となり、体調を崩します。特に、梅雨時や夏場は湿度が高いため、うまく汗をかくことができません。さらに、近年は冷房の影響により真夏でも汗をかく機会すらない方が増えております。

こういう時に冷たいものを摂りすぎると、さらに余分な『湿濁』が溜まってしまいます。暑い時こそ冷たいものを控えて、胃腸の水分代謝を落とさないように気を付けなければなりません。

      

この『湿濁』を取り除くために、漢方薬では藿香(かっこう)』というシソ科の生薬を使います。この藿香が主成分になっている『勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)』という薬は、読んで字の如く湿気に勝って夏場の食欲不振や倦怠感を乗り切るためにピッタリです。

 また冷たいものを控えるのはもちろん、あまり冷房に頼らず、暑さに体を慣らすのも大切です。