ゴールデンウィークが終わり、日差しの強さに初夏を感じる季節となりました。
5月病とも言われますが、この時期は「やる気が出ない」、「眠れない」、「気持ちが沈む」などの症状を訴える方が増えてきます。
原因は、仕事や学校など「環境の変化」による心身の負担やストレス、また寒暖差など季節の代わり目による「自律神経の乱れ」と言われています。
こうした環境の変化やストレスに対して強い人もいれば、弱い人もいる。この差は何によるものなのでしょう?
中医学では、ストレスによって最も影響を受けやすい臓器は「肝」と「心」で、これらの働きが低下することで自律神経が乱れ、様々な症状がでてくるとしています。「肝」は気をのびやかに巡らすことや自律神経、血液の貯蔵・流れ、新陳代謝をつかさどっています。「心」は血液の循環はもちろん、感情や精神活動、睡眠をつかさどっています。そのため、ストレスに負けない心や体をつくるためには、「肝」や「心」の機能を整えておくことが大切です。
「肝」や「心」の働きを高めるためには「気・血」を充分に満たすことが大切で、必要に応じて「気・血」を補うものや、滞りを改善する漢方薬を使います。
特に「気(エネルギー)」は自律神経の働きに関わっていて、流れが滞ると「情緒不安」や「憂うつ感」、「不眠」、「喉がつまる」などの症状が出てきます。
このような症状が気になる場合は、気を巡らせ自律神経のバランスを整える漢方薬を使用します。
また、環境の変化に対する適応力を高めるためには、食や生活の見直しも大切です。
<おすすめの食材>
・「気・血」を補う
にんじん、ほうれん草、かぼちゃ、レバー、豚ひれ肉、ひじき、なつめ、クコの実など
・「気」の巡りを整える
しそ、みかんの皮、菊花、ジャスミン、ミント、トマト、レモン、梅など
・ビタミンC(抗ストレスビタミンとも呼ばれる)
キャベツ、赤ピーマン、ブロッコリー、かんきつ類、ジャガイモなど
・ビタミンB1(情緒の安定
豚肉、玄米、ぬか漬け、ごま、大豆、小豆、小麦胚芽、牛乳、卵など
<質の良い睡眠>
睡眠は、疲労回復や細胞の修復、血液の生成のためにも重要で、特に環境の変化の大きいときはしっかりと睡眠をとるようにしましょう。
眠れない方は、
・朝起きてすぐ太陽光を浴びる
・起床・就寝の生活リズムを整える
・夕食は寝る2時間前まで、入浴は1時間前までに済ませる
・寝る前にテレビや携帯を見ない
など生活習慣を整えましょう。
<上手にリフレッシュ>
「話す」ことは「離す」とも言われ、悩みやストレスを人に話すことは気持ちを整理するためにも大切です。
楽しい仲間とおいしいものを食べたり、趣味を楽しむなど、リラックスできる時間を増やしてみてください。
ウォーキングや水泳などの有酸素運動も、感情をコントロールする神経伝達物質「セロトニン」の分泌が促されるため、
ストレス対策におすすめです。
最近は、コロナやウクライナの問題など、日常的にストレスを感じている方も多いのではないでしょうか?こうした不安感をあおるテレビなどの報道を観ないようにするというのも一つの方法かもしれません。
環境の変化やストレスに負けているなと感じている方、ぜひお試しください。