『忘年会・新年会対策』
(筆者:川那辺 貴弘)
寒い日が続き、今年もあとひと月ちょっととなりましたね。年末に近づくにつれ忙しくなり、忘年会や新年会、クリスマスとイベントも多くなり胃腸や肝臓に負担のかかる季節になります。みんなで集まって楽しく食べて飲んでいる時になかなか一人だけ健康を気遣ってはいられませんよね。年末年始をより楽しく元気に過ごせるような漢方をご紹介いたします。
Ⅰ:食べ過ぎ・胃のもたれ
気温が下がり、冷えが胃腸の働きを低下させるので消化がしづらい季節です。クリスマスや忘年会でついついたくさん食べてしまう、濃い味付けの食事が続くと余計に胃腸が疲れてしまいます。
出来るだけ温かい食事を取り、ナマものや刺激物、冷たい飲食物を控える事により胃腸の負担を軽減することが必要です。また過労や睡眠不足、ストレスも胃腸の変調をきたす原因です。
漢方ではお腹を温めながら元気にする処方を使います。『人参湯(にんじんとう)』や『勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)』、『六君子湯(りっくんしとう)』、『半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)』など胃腸を温め、元気にする漢方はたくさんございます。胃腸に自信のない方は六君子湯や半夏瀉心湯を常時服用しておくと良いでしょう。また冬場でも浮腫んでしまう方には勝湿顆粒がお勧めです。
Ⅱ:飲みすぎ
大勢が集まる事が多い年末年始はお酒を飲む機会も増え、自然と肝臓に負担が蓄積してしまいます。目が黄色くなる、お酒が抜けにくくなる、慢性的に疲労を感じるとなると肝臓が疲れているサインです。そうなる前にできるだけお酒を控えて、飲酒の量を少なくするようにしましょう。肝臓を守るものとしては『五苓黄解(ごれいおうげ)』や『黄連解毒湯(おうれんげどくとう)』などをお勧めしますが、『田七人参(でんしちにんじん)』もよく使われます。ウコンも有名ですが、ウコンはいくつかある種類の中でも中国の四川省産の『川玉金(せんぎょくきん)』と呼ばれるものが良いと言われています。
Ⅲ:消化剤
美味しいごちそうを続いて食べる事が多くなるので、ちょっとした消化剤を持っていても良いかと思います。おすすめは『ガロール』『新ガロール』と『晶三仙(しょうさんせん)』です。『ガロール』は消化を促す「胆汁」「ジアスターゼ」が入っており昔から愛用されていて、最近作られた『新ガロール』は「ウコン」や「ケイヒ」など漢方の生薬がさらに加わり『二日酔い』にも用いられます。『晶三仙』は「紫蘇」や「春菊」など日本でも馴染みの食材に「サンザシ」や「甜杏仁」など中国の食材を組み合わせたもので甘酸っぱく大人だけでなく子供も愛用しています。
年末・年始は暴飲・暴食を控え良い年をお迎え下さい。