漢方でクールビズ (気になる症状)
2011/6/8(筆者:川那辺 貴弘)
暑い夏、日本の夏は年々気温が上がって毎日が猛暑日という年もありましたね。その上節電ともなれば涼を取る事ができずに熱中症になる危険が高くなります。どんなに暑い夏でも仕事があれば暑いとは言ってられません。『スーパークールビズ』とも言われていますが、漢方で体の中から夏の暑さに打ち勝つ体にしてみませんか?
屋外でたくさん汗をかく
日差しの強い外で気温も高い夏に長い時間を過ごすと汗をたくさんかいてまいます。この汗は体の熱を下げるために出るわけですが、出しすぎてしまうと脱水症状を起こします。そのためには塩分や電解質を含むスポーツ飲料などの水分補給が大事です。漢方では『麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)』がお勧めで、肉体疲労の回復や発汗による体力の消耗を防ぎます。汗のかきすぎには十分に注意しましょう。
室内でパソコンのモニターを見る事が多い
パソコンは思いのほか熱を出します。締め切った室内や冷房があまり効いていない場 所では知らないうちに熱気がこもっている事もあります。室内でも熱中症を起こす事は多く、自分の体温が上がっている事に気づかないで熱中症になってしまうそうです。まずは無理に節電をしないで、適度に冷房や風を入れ、涼をとるようにしましょう。この場合は『杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)』『瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)』がお勧めです。
火照り体質
もともと火照りやすい方は体温が上がりやすく、夏の暑さは苦手です。その場合は無理に冷ます物ではなく本来体の持っている冷ます働きを助ける漢方を体質改善の為に先んじて飲んでおくとよいでしょう。『温清飲(うんせいいん)』や『柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)』を用いますが、先程の『杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)』や『瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)』を普段から服用しておくとよいでしょう。
頭を使う事が多い頭脳労働者
悩んだり考える事は頭の中のエネルギーを消費して行われます。特に夏の暑いさなかに長い時間頭を使うと思考力が低下してしまいます。体を元気にしながら頭はすっきりさせたい場合は『西洋人参(せいようにんじん)』や『牛黄清心丸(ごおうせいしんがん)』がお勧めです。いずれも体を元気にして頭はすっきりさせてくれますが、高い温度で消耗が激しい場合は『牛黄清心丸』の方がよいでしょう。また『菊の花』のお茶なども頭が煮詰まった時に飲むと良いでしょう。
夏の暑い中での仕事や通勤は体にこたえると思います。水分を良く取り、できるだけ日陰で涼を取ったり、換気をして熱中症にならないように気をつけましょう。