筆者:川那辺 貴弘
店頭でよくされる相談が甲状腺の病気です。特に女性に多く症状は様々です。今回は甲状腺の病気であるバセドウ病と橋本病に使う漢方についてお話したいと思います。
甲状腺の病気ですが、大きく分けるとバセドウ病と橋本病に分かれます。甲状腺の機能が亢進するか低下するかで分かれます。症状の軽い方もいますが、中にはとても苦しむ方もいらっしゃいます。自己免疫疾患なのでいずれの病気も病院での治療が必要になりますが、漢方で自覚症状を補助するケースもございます。
○バセドウ病
バセドウ病の特長
甲状腺の機能が亢進する病気で、簡単に言うと全身の新陳代謝が異常に亢進してしまう病気です。眼球突出や心拍増加、発汗などが特徴的な症状です。
漢方での対処
新陳代謝が過剰になって消耗しているので、漢方では主に消耗を補うものを中心に飲んでいただきます。
しかしただ補えば良いという訳では無く、体の潤いである『陰』と『血』を消耗している場合が多いため『気』と同時に『陰血』を補います。『婦宝当帰膠』や『麦味参顆粒』などは『気』と『陰血』を同時に補いますのでおすすめです。また症状が酷い場合は『星火亀鹿仙』を用います。『星火亀鹿仙』は動物性の成分を多く含むため症状が酷い方には特におすすめです。
○橋本病
橋本病の特長
バセドウ病とは反対に甲状腺の機能が低下する病気で、新陳代謝が異常に低下してしまう病気です。
顔の浮腫みや動作が遅くなる、食欲が低下するが体重は増えるなどが特徴的な症状です。
漢方での対処
新陳代謝が低下しているので『補気』『補陽』のように元気にするだけでなく『活血』という血行の改善をして血液循環をあげて新陳代謝を助ける。また、食欲が落ちているで『補脾』をする事により胃腸を守ることが大切になります。『補気』『補陽』には『至宝三鞭丸』や『参茸補血丸』がございます。活血には『冠元顆粒』や『田七人参』がございます。『補脾』には『勝湿顆粒』や『健胃顆粒』がございます。いずれの場合もその時の症状や体質によって使い分けをするので自己判断ではなく必ずご相談のうえ服用して下さい。
甲状腺の病気は長期戦になる場合が多いので、一喜一憂せず気長に付き合っていきましょう。