年が明けてあっという間の3月。春寒もようやくぬるみ、花便りの嬉しい季節となりました。ecbe01a493f1b36799faedc90230077e_t

気温が低下する冬は、血管が収縮し細くなるため血液の流れが悪くなり、高血圧の人にとっては注意が必要な季節です。春になると気温が上がってくるため、血流がよくなり血圧は下がってきそうですが、春に血圧が不安定になるという方も少なくありません。

春は1日の気温差が大きく、また『三寒四温』と言われますが、暖かくなったと思えば、突然寒さがぶり返すなど、日々の温度変化も大きいです。さらに天気も不安定で気圧も変化しやすい季節です。気温が下がると、交感神経が刺激され、血圧が上昇しやすくなります。また、気圧が急に低下する時も、交感神経が刺激され、心拍数が増加し、血圧が上がることもあります。

中医学では、春は「肝」の季節です。「肝」「血」「気」の流れの調節、「血」の貯蔵、自律神経系などを主っています。春は「陽気」が盛んになる時期で、体内の陽気も盛んになり、冬にこもったエネルギーが外へと動き始めます。「肝」の気は上昇する性質がありますが、春の陽気に刺激され「肝」の気が上昇し過ぎると、めまいや頭痛、のぼせ、イライラ、不眠、血圧上昇などの症状が現れます。
体の潤いである「陰」「血」が不足している方、また、「肝」の機能が低く環境の変化や方やストレスに弱い方、「血」の流れが滞りやすい方はこうした症状が現れやすいです。

気になる方は、日頃から下記のような食材を取り入れると良いです。

「陰」が不足している方:山芋、ごぼう、れんこん、大根、かぶ、白菜、きくらげ、豆腐、豆乳、ごま、牡蠣、クコの実

「血」が不足している方:レバー、にんじん、ほうれん草、ブロッコリー、かぼちゃ、赤身の肉・魚、ひじき、きくらげ

「肝」の機能が低下している方:菊花、あわび、牡蠣、あさり、しじみ、クコの実、レモン、トマト、セロリ、セリ、ミント

「血」の流れが悪い方:玉ねぎ、納豆、らっきょう、黒豆、黒きくらげ、なす、海藻類、青魚、紅花春の野菜

たけのこ、ふき、ふきのとう、菜の花など春の野菜には冬に溜まった余分な水分(痰湿)などの老廃物を排出する働きがあります。気血の流れをスムーズにするためにもこの時期、積極的に取り入れましょう。

ストレス対策や自律神経を整えるためには、ウォーキングや水中運動などの有酸素運動、ぬるめのお風呂にゆっくり入る、深呼吸、アロマなどがおすすめです。特に春は、「肝」の働きをスムーズにするためにも、ストレッチや外に出て自然の中でゆっくり散歩することも大切です。脂っこいものや甘いものの食べ過ぎ、アルコールの飲み過ぎ、便秘や睡眠不足、急激な温度差は高血圧の原因になりますので注意しましょう。

 

漢方薬は、体調や体質に合わせて、「肝」の働きを整えるもの、上に上がった熱を冷ますもの、「血」の流れをスムーズにするもの、「陰」「血」を補うもの、「痰湿」を取り除くものを使用します。

血圧の正常値に関しては様々な議論がありますが、動脈硬化が進んでいる高齢者の場合、血圧を下げすぎることのデメリットも注目されるようになってきました。
血圧を下げすぎると、かえって狭心症の発作や脳梗塞を起こしたり、腎臓の働きを悪くしたりなどの原因となることもあります。sawayaka

ただ、血圧は上がったり下がったり変動が大きいと、体の負担になり様々な病気につながるため、早めの対策をおすすめします。

中医学の養生法を取り入れ、春の季節を楽しくお過ごしください。

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