『PMS(Premenstrual Syndorome)月経前(緊張)症候群』

(筆者:柳父 憲子)

月経前になると出てくる、肌が荒れ、やる気がでない、ストレスを感じやすくなる等の症状。それはPMSです。

 最近よく耳にする PMSとは(Premenstrual Syndrome)辞書で調べると、 月経周期後半から直前に出現する身体精神的症状の総称(月経前緊張症、月経前症候群)となっています。
 これは前回の『月経について2』の表を見てもらうとわかりやすいと思いますが、女性は月経と次の月経の前10~14日は 高温期(黄体期)という少し体温が上昇している時期があります。
ほとんどの女性の方が経験されているかと思いますが、この時期になると、胸が張る、頭痛、イライラしやすくなる、もしくは憂鬱になる、肌が荒れる、眠くなる、疲れやすい、お腹が張る、便秘や下痢、等などの不快な症状が表れてくる事があります。

これらの症状をまとめてPMSと言います。

 これは卵胞ホルモンから黄体ホルモンに変化することにより出てくると言われていますが、生活に支障をきたさないようでしたら、問題はありません。
PMSが出る事によって仕事が思うようにできなくなるようでしたら、漢方薬で体質改善をお勧めします。
この時期に出てくる症状は中医学でいう“気滞(きたい)”という証(気2参照)が一番多く出てきますが、もともとの体質、出ている症状によって使う漢方薬も異なってきます。

加味逍遥散 ・・・・・ 精神不安定、のぼせがある時に
星火逍遥丸 ・・・・・ 加味逍遥散から牡丹皮〈ボタンピ〉と山梔子〈サンシシ〉を除いたものでのぼせがなく、冷え症の方に向いています。
開気丸 ・・・・・ おなかが張り易く、便秘や下痢をくりかえしやすい人に。

 この時期には香りの強いものを食べたり飲んだりするのがお勧めです。上の漢方薬の中にも入っていますが、薄荷、セリ、セロリ、春菊、香菜また、レモン、オレンジなどの柑橘類もお勧めです。
さらに体質改善には女性の月経の調整に使う“当帰(とうき)”がお勧めです。

 胸の張りが強い時にはプロラクチンが高い可能性があります。本来プロラクチンは妊娠すると乳汁を分泌するために必要とされるホルモンですが、妊娠されてなくてもプロラクチンが高くなっている方がいらっしゃいます。(この時乳汁が出てない方の方が多いです。)このような時は“麦芽”を使います。
 このような時期は少し体を動かしたり、ストレス発散になることをするように心がけましょう。