『むくみ』
(筆者:柳父 憲子)
もともと体がむくみやすい方、湿気の多いこの季節は体に余分なお水
“湿(しつ)”
をためこみやすくなります。 湿が多いと体が重だるく疲れやすくなったり、太って見えたりと良いことはありません。 湿気をためない体づくりをしましょう。
“むくみ”「 朝起きたら、まぶたがはれている。」「立ち仕事なので午後になると足がむくみ重だるい。」「ソックスの跡がなかなか消えなくなってきている。」などの
“浮腫み(むくみ)”
見た目に膨らんでいて気になる方、重だるく時には痺れや冷え、痛みなどを招いてしまい、体にとって”つらい”という症状がでてくる方。
又は、体のどこかが病気のために浮腫む方。
中国医学では体質によって お薬を使い分けます。
一般的に良く使われるのは “五苓散(ごれいさん)”。
尿量が減少し下痢などを伴う浮腫みに使います。良く使われる お水を出す生薬(利水薬)は体を冷やす性質のものがほとんどですが、この
“五苓散(ごれいさん)”
には ”桂皮(けいひ)”・・シナモン が入っており、体を冷やしすぎないようにします。
まぶたや顔、指などがむくみやすい方。疲れやすく 汗をかきやすい方。水太りタイプの方は“防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)”を使います。 胃腸にも優しく、免役調整に使う“黄耆(おうぎ) ”と ”防己(ぼうい)”というお水を出す生薬が主体で入っています。
冷え症で、月経不順あるいは月経痛があり、貧血傾向で浮腫みやすい方は、
“当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)”
を 使います。 血液を作り、血流をよくする ” 当帰(とうき)”、さらに 当帰を助ける ” 芍薬(しゃくやく)”が入っていますので、 血液の流れが悪くて水分代謝が悪くなっている方にも使います。これを飲んでも浮腫みやすい方は、もう少し血液の流れが良くなる物を併用すると一緒にリンパの流れも良くなるので、浮腫みが軽減します。
足のむくみがひどく 五苓散などを飲んでも浮腫みが取れにくい。浮腫みが慢性的に続いている。お手洗いにあまり行かない。 足腰が冷えてだるいなどの症状には ”牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)”、体を温めるものと お水をだす ”車前子(しゃぜんし)”、血行を良くし、下半身にお薬を導いていく ”牛膝(ごしつ)”が入っています。 足はむくんでも上半身、特に目が乾燥したり、疲れやすい方は、“杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)”を使います。
これらのお薬を飲んでも効きにくい方は、胃腸の水はけが悪い場合があります。 日本は周りを海に囲まれているので、湿気の多い夏は特にですが、“湿(しつ)”という 体にとって不必要な水液が胃に停滞しやすく 胃腸の働きが悪いくなる方が多くなります。 このような症状の方は上のお薬に胃腸の水はけをよくする漢方薬を併用すると 浮腫みが取れやすくなり、さらに 余分な水分を作りにくくなります。
又、“問荊(もんけい)”・・・[すぎな]
にも お水を出す作用があり良く使われます。“三爽茶(さんそうちゃ)”という製品の中にも入っています。
暑い夏の時期はシャワーで済ましてしまう方も多いかと思いますが、ゆっくりお風呂に入り、汗をかく事により新陳代謝も良くし、又お風呂でマッサージをするのも効果的です。
又、冷たいものの食べ過ぎ飲みすぎも むくみの原因になりやすいので気をつけましょう。
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