疲れやすい1

 

執筆者:同仁堂薬局 柳父憲子

  

  今年の夏も温度が高く、暑い日が続きました。夏の強い紫外線でお肌が傷んでいませんか?特に汗をたくさんかいた方は、肌の栄養が汗となって出てしまったために、空気が乾燥してきたこの時期にお肌のトラブルが発生します。

 

 『体が以前に比べて重だるく、動くとすぐ疲れるようになった』『眠っても疲れが取れない』『寝ているのにすっきりしない』『眠りが浅く疲れが残る』など疲労がだんだん蓄積してきて疲れが取れにくくなっている方も多いかと思います。若い時は体力があるので無理が効きますが、年を重ねるとだんだん無理ができなくなってきます。

この疲れ・中医学では体質によって使う漢方薬が異なります。

  気虚(ききょ)血虚(けっきょ)腎虚(じんきょ)〔陽虚(ようきょ)・陰虚(いんきょ))痰湿(たんしつ)という中医学の証と、疲れが関係しています。

1:気虚・・・・・胃腸が弱い、食後消化が悪くもたれる、食後眠くなりやすい、お腹が下りやすいなどの脾気虚(ひききょ)と、喘息になりやすい、風邪をひきやすい、汗をかきやすいまたは全くかかないなどの肺気虚(はいききょ)の二つがあります。

 胃腸の働きが悪い方は食事をしても、未消化のまま排泄されたり、体に溜め込んでしまうため食事から栄養を吸収しにくく、体のエネルギーが低下します。 また呼吸器である肺の働きが悪い場合は、酸素が体内に入りづらくなり細胞の働きも悪くなります。さらに肺は免疫とも関係するので肺経が弱い人は“気”を外邪からの防衛力・抵抗力に使うため、他の所に“気”使う余裕が無くなり、疲労を感じやすくなります。

2:血虚・・・・・貧血もしくは立ちくらみがある。手足やお腹が冷える。眠りが浅い。生理の量が少ない、月経周期が長い。爪が割れやすい。髪の毛が抜けやすい、肌に艶がない。身体が乾燥しやすい、冬は特に指先や踵がひび割れやすい。

 特に女性は毎月月経で血液を外に出していますので、頑張って血を作って行かないと少なくなってしまいます。血液が少なくなると栄養素や酸素も少なくなります。そうなると体の中の細胞は、酸素不足や栄養不足で働けないので、だんだん疲れが溜まりやすくなります。