疲れやすい2
執筆者:同仁堂薬局 柳父憲子
今回は腎虚(じんきょ)〔陽虚(ようきょ)・陰虚(いんきょ))・痰湿(たんしつ)についてみてみましょう。
・・・・・中医学で腎とは腎臓のことも含みますが、内分泌系のホルモンとも関係しますので副腎・生殖器・脳下垂体・甲状腺や泌尿器なども“腎”の機能とつながりがあります。
腎虚には 陽虚と陰虚というのがあります。
陽虚とは気の温煦(おんく)作用(体を温める作用)が不足したもので手足の冷え、寒がる、お腹を下しやすい などの症状が出てきます。体を温める力もないほどのエネルギー不足なので、体も疲れやすくなります。
陰虚とは血液を含めた体の栄養となる潤いが不足した状態です。陰虚が進むと手足のほてり、のどや口の渇き、寝汗、不眠などが出てきます。
腎虚とはそのどちらもが慢性的に不足しており、先天性の虚弱・栄養不良・性生活の不節制・慢性病による消耗・老化などで発生しやすくなります。
4:痰湿・・・・・痰湿とはのどにある痰の事だけではなく、体の中にある津液(体液)が停滞することにより体内に貯留した異常な水液の事を言います。
症状としては体がむくみやすい・重だるい・疲れやすい・不眠・などがあります。又場所によっては余分な痰湿のために血流も悪くなり痺れ・痛みになることもあります。
若い時は疲れても眠れば体力が回復しますが、年を重ね消耗が続くとだんだん回復しにくくなります。眠りの浅い方は寝ていても身体は休まらないので、さらに疲労がたまりやすくなります。 疲れたなと思ったら無理をせず少しずつ休憩をとることも必要です。
次回“疲れやすい3”で 心身の疲れに使う漢方薬を紹介いたします。